2022年7月7日木曜日

漆黒・純白

大変久しぶりにプロダクトデザインな話題。

https://www.ko-pro.tech/musoublack/

↑先週だったか真っ黒の外観仕上げの話をタナカセンセイとしていたらこんなニュースが出た。
真っ黒すぎて道交法的に禁止になるのかどうなるのか。

漆黒てすごく贅沢。黒いプラスチックも黒い紙のように白く反射する。黒くしたい、シボでなんとかしたいと思っても(コストアップしないように)気休め程度、細かい粒状シボは傷に弱くなる、傷対策でコートすると艶が上がり白く光る。ならば白く光るのを織り込んだチャコールグレーを追求したらコスト競争力ある外観になるんじゃないかと思っても黒じゃないグレーへの違和感はぬぐえない。金型を磨いて黒光沢にして黒シボとのコントラストで黒く見せる、なんてタナカさーん、私たちと同じことやってる人初めて会ったかも。
一度塗料色出し立ち合いに行った先の塗料やの若社長さんが「thinkPadのブラック外観」の開発にからんでいていろいろ得意げにマル秘を匂わせていた。

真っ白も難しい、そもそも色見本が無い。コピー用紙や白いものを集めてどれが純白なのか。シボ打ったプラスチックは妙にヌメヌメするし、経年で黄変する。アップルは白いACアダプタやマウスを抜きテーパー無しでmacに同梱してくる。こっちは調達担当が買ってきた中国製の黒くてシボがテカる抜きテーパー3度のACアダプタでないとコストに収まらない。
そのうち日本より中国の設計・工場の方が抜きテーパー0度でやってくれる、なんて常識になっていった。

今のインハウスデザイナーはもうこんな思いはしてないだろな。消えていくインダストリアルデザインのあるある話でした。

そうだこの話のときオーニシセンセイに無反射植毛布を背景に置いた野の花の写真を見せてもらったな。ナチュラルな自然の中でここだけ黒背景のCGみたいで面白かった。超黒流行るのかしら。

それにしてもちゃんと真っ黒塗料を開発した人がいるんですね、やっぱり光吸収が技術のキモなのね。
価格高いし傷に弱そうだけど試してみたいね。

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