2021年2月19日金曜日

松涛美術館公募展に入選した(新コロナがきっかけ)

 去年の3月から世田谷の奥様と絵を描く活動は休止している。とはいえ描かなくなるのもコロナに負けたような気になるので、月に2-3枚は描いてインスタにアップしたりしている。

松涛美術館公募展の募集チラシは過去に何度も見かけていたが、公募展を見に行ったこともなくずっと渋谷で暮らしていた。今回たまたま10月ごろにふと一念発起して”そこそこ大きいサイズの絵を描いて、気が向いたら出してみよう”ということにした。
山梨のベランダから見える紅葉が綺麗だったので、最初は透明水彩で描いてみた。苦労して描き重ねているのかさらっと描いてるのかわからない仕上がり、描いているうちに木が地面から生えているパターンや特定の枝の重なりを描きたいなあ、とテーマがだんだん見えてきた。いわゆる縦長構図でなく極端に細い長方形とか正方形で描きたいな、とか。
クリムトが庭木を描いていたのは正方形だったか。マッツグスタフソンも地面から木が生えてるのを描いていた。

世界堂で正方形のキャンバスを見つけたので、アクリルガッシュで描いてみた。ベランダの手すりより高い位置から見るためにイーゼルも椅子も背が高くて手こづった。地面の細い萩の枝を描いたり葉っぱを重ねているうちに抽象な気分になった。描いてみると木の背が高くて上まで入らない。後日一本まるごと木を描くのに綿半で桐の棚板を買って描いた。首が動いて見上げているので正確も何もないが面白かった。計5回描くうちに季節が移って葉が落ちて枝のシルエットが強調された雪の日も描いてみた。

正方形のを出してみようかと決めて、ネットで正方形の額を探したら、あるもんですねえ、キャンバスの枠に直接固定する仮額というのが。紅葉の赤が合うのでゴールドにした。

松涛美術館に搬入が年末、年明け早々に結果通知がはがきで届く。例年だいたい120枚くらい応募で60枚くらい選ばれて公募展出品となる。渋谷区在住・在勤の絵を描く人ってこれぐらいいるのか。無料配布の図録に作品の写真が掲載される、これは記念になっていいわね。行けない人にも説明しやすいし。
松涛美術館は井戸の中のように円筒な展示壁で、点数も多くないので2段掛けとかしないし、贅沢だった。よく行く美術館ではないと思うが、古道具坂田展(これはすごくよかった)とか船越桂とか独特な企画展の印象が強い。あ、一度水彩画教室4回ものも行ったか。

今回入選したほかの人の作品。律儀に渋谷駅の工事の様子を(おそらく写真から)水彩で描いてる、これはかなり社会人になってから絵を趣味として始めたんだろうなあ。一方これは美大で描いてた人だな、とか。刺繍の作品とか抽象もあるし。学生優秀賞の絵(台所の絵)と肉パック408円を描いたのが好きだった。選者の好みなのかな、松涛美術館の個性が出るのか。

同時開催の南薫造展、この人知らなかったが水彩油彩こだわらず、風景静物さらっと描いて立体感遠近感の抜けが良くて、変な力が入ってないのびのびした印象が良かった。公募展の方が妙な意気込みが見え隠れしてるのに、上手で名のある人の絵が清々しいのはなんか悔しいな。明日から東京ステーションギャラリーで個展開催だそうだ。

facebookで告知したら沢山いいね!いただいて恐縮です。りかさんひっちゃんも見に行ってくれた、ありがとう。図録見てしうじせんせいが「この絵ちょっと好き」とトカゲのシルエットの絵を挙げてたり、時々ジムで会う人の娘さんが女子美の彫刻だと判明したり、クライマーと絵の話をするのも楽しいね。