実は年末に別荘オーナーになった。働くために東京に住むのならいい歳なので河岸を変えたいということで。去年の10月からネットで探した。別荘というとバブルとかゴージャスとか森の中にポツンと建つ豪邸で起こる密室殺人というイメージがあるが、買ったのは35平米中古なので山荘という感じ。別荘地の中で管理組合にしっかりメンテしてもらっている、温泉徒歩3分、ゴミは歩いて15歩のゴミステーションにいつでも出せる、雪が降れば道路除雪してくれる甘やかされた立地。
別荘というだけで人は浮かれるのか。
周囲の家を含め、いわゆる日本の住宅となんか違う。壁色がクリーム色、深緑や黒、赤いマドフチにブルークレーの壁の家がしれっと建っている。瓦ぶきでなくガリバリウム鋼板屋根、バルコニーは必須。日本中の普通の家もこういう可愛い感じでもいいのに。別荘地の決まりで敷地境界に塀は無し、雑な林が広がっている。
内装は節のある松の2x4幅板が斜めに張ってある。柱も皮剥いた丸太っぽい、そこに切り欠いて障子の桟や斜め梁が取り付いた吹き抜け天井とか。そんな調子なので壁に釘やらヒートン打ってハンガーかけたり乱暴な扱いも許される気がする。
完全な引っ越しではなく最小限生活できる家財を揃えた。もともと付いていた木の枝っぽい黒鉄のシャンデリアはそのまま活かして黒x木目がテーマ、IKEAのカウンターテーブルに黒のカウンターチェア、こんなのは東京ではかっこつけすぎてやらない。このあたりの山の航空写真地図のでかいポスターを貼った。畳の上にソファーを置いた。冷蔵庫は90リットル木目。貰い物の四角い皿がなぜかここでは使える。
プロパンガスストーブ1個で過ごしてみた。寒いときは室内でもダウンジャケット&ダウンパンツ。布団の中にシュラフを入れて寝る、冬は明け方零下10度、オリーブ油が凍る。山小屋だ。
まずは近隣の山をアイゼン付けて登山。そして狙ったわけではないがスキー場が近い。40年ぶりにスキーした、この冬3回コソ練して、なんとなく面白くなってきた。 天気を見ながら雨は雨なりに過ごす、予約無しで夜のうちに現地入りする心のゆとり。旅行とは違うし、行けばご飯作って掃除してるんだけどなんとなく普段と違う。スーパーの食材も美味しい気がする。
やってみないとわからないもんだし、旅行欲が強い若い頃ではわからなかっただろうな。 なんだか東京での気分も緩んで物の見方が変わってきた気がする。
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