瀬戸内は3年に一度なのね。でもそれにしてははるばる来てるひとがいたなあ。
日帰りで豊島-犬島は非常に難しい。フェリーが少ないんです。犬島へのフェリーが12:50発、犬島で2時間滞在で戻りになっちゃう。JRみどりの窓口ではフェリーの時刻表はわからないので、あらかじめネットで調べた方がよい。私は帰省して思いついたので、妹に調べてもらった。
島内は電動サイクルレンタルで行けます。私は徒歩しようとしたら、歩いてるとトラックとかバンが通って「乗ってくか?」と3度乗せてもらった。で、車内で喋るのも楽しかった。ひとりだから拾ってもらえたのね。でも20分歩けばどこか展示してるとこにたどり着ける(あ、島の南側は片道3.5kmだから無理、見てないです)タクシーは結局見かけなかった。
夏なら海水浴とセットしたいけど、まだいい民宿がないらしい。美術館近くの自然の家で素泊まりがよいそうです(後述のうららのおばちゃん情報)
心臓音のアーカイブ:ポルタンスキー、この人の作品って絶妙に個人と集団のミックスというか、怖いんだけどもう見ずにいられない、すごい吸引力で。あさいちで行ったんですが。真っ暗な部屋に重低音再生の心拍音、それに合わせて電球が1コまたたく。部屋には小さい鏡がたくさんかけてある。怖いぞー。でもだんだん慣れてくる。ひとによって心拍音って全然違うのね。だんだん面白くなってくる。部屋を出そびれる。朝来る人は少ないので朝狙いが堪能できます。1500円で心拍音登録もできます(私はしなかった)撮影禁止というか撮影できない。
豊島美術館:このパビリオンを美術館と言い切ったことがすごい。なんせ、ふわーとしたカタチの建物の床を水がぽとぽと湧いたり走ったり溜まったり、それだけだもん。で1500円ですよ。でもね、ずーっといられる。みんな静かに思い思いに水を見てる。天井に開いた穴から空とか周りの木が見える。梅雨時には霧が溜まったりするんだって。時間や季節で感じが変わる。いやすごいです。水が湧く穴はすごく小さくて、手入れ大変だろうなあ。コンクリートも一気に固めないと作れないらしい、すごいね。
ほんとにずーっと座り続けられる。ちょっと宗教空間ぽいかも。撮影禁止。
ストームハウス:普通の民家の中はずっと台風。雨が窓をしたたって、電気がちかちかして、雨漏りしてる。外に出ると快晴でくらくら。
湧き水:呑んだよ。由緒ありそうな神社脇の水。横の鉄の彫刻は錆びちゃってちょっとかわいそうな感じ。向かいにいちご氷屋さんがいた。いちごシロップは豊島名産のいちごをいちご農家さんがつぶして作ってるからうまいよ。
トムナフーリ:森万里子作品。アオミドロなどろんとした沼にFRP感めいっぱいのありがたそうな巨石。カミオカンデがなんだっけ、宇宙線をキャッチしたらそれが光るらしい。「ほんとに光るの?」って聞いたら夕方とか天気悪いときに光るの見えるときがあります、て言ってた。300円。
100歳の手:空き家に置かれた3点のでっかい鉛筆デッサン。手と顔のモデルは最後のごぜさんだそうで、この人の一生の話を読むのがなんかすごい。300円。
il vento:普通のうちを改装して不思議に見えるようなパースの線とか水玉が壁に描かれてる。これ写真に撮った方が全然よく見える。観覧料出すより100円たしてジュース飲んでのんびりしたよ。
うらら:il ventoから近い、普通のうち。mapに飲食マークがついていたのでおそるおそる行ったけど、すげー地元めし(たこめし、地元魚の塩焼き、刺身、酢の物、野菜炊いたん、これに本来はみそ汁と唐揚げがついてたらしいが、私が行ったときは残ってなかったので、その分割引になった)ここの奥さんがすげー人で、だんなさんが元公務員で豊島の産廃問題のいろいろやってたらしく、だんなさんは定年してから漁師になって今は朝晩漁に出て、それをお昼定食とか近所のお年寄りのご飯作って(宅配じゃなくて取りに来てもらう、それでお年寄りに外出してもらう)という商売のようなボランティアのような、すごいね。
今いい民宿作ろうと島内の6地区で企んでいるらしく、実現すれば農業体験とか漁体験と民宿セットで、ん千円みたいな仕組みができるんだって。
さて、お金はかかるよ、でも見てみてもいいんじゃないか、少なくとも先の2つは見ないとわからない。あとは島の人とうだうだ喋るとかいかりがずらっと並べてあるのとか瓦や石垣や狭い道を見るのが面白いなあ、というところやね。よく考えたら海外でもそんな旅行してるんだから、いいんじゃないか。あとね、島の人が作品を見てるってのがいいね。軽トラのおっちゃんが「なんやポルタンスキー行くんか?乗ってくか?」って声かけてくるってぐっとくるね。「うちの息子は美術館に本持っていってずっと読んでますよ」なんてね。
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