2010年3月3日水曜日

読了レビュー100303

「いき」の構造
はい、名著です。今まで読まずにほったらかしてました。でも自分の覚えている日本語の意味が正しいのか確認しようと思った。自分が作りたいモノはどんなものか、一言で言えるように言葉探しのために読んでみた。

大正時代の文なので難解な言い回しがあるけど、情緒的なことを流されずに並列に分析して書こうとしている姿勢は現代よりもストイックだ。例として挙げている色、柄合わせ/文例/節回しもわかる人にはツーカーの的確なんだと思う。
意気/野暮//甘み/渋み//上品/下品//派手/地味 軸の直方体の図はなるほど日本語を使う人じゃないとわからないだろう。フランス語の対応語もニュアンスがわかって面白い。冷徹に線引きしているのにデリケートだ。こういう日本語忘れていたな、と思う言葉が多々出てきた。
他2篇の「風流に関する一考察「情緒の系図」にも四面体や相関図が作られていて、なるほど。

現代の快適/スピード感/便利/ノリがいい/新しい の価値観にははまらない、普遍の情緒/美意識に気持ちが向けられる。

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