2010年7月22日木曜日

これも自分と認めざるを得ない

http://www.2121designsight.jp/id/index.html 
正直「えー佐藤さんの見せ方スタイル、たいがい流行ったし飽きちゃうじゃないかな」と思って行ったんだけど、さらに複雑な仕掛けだった。くやしい面白い。 

指を台に押しつけると指紋が画面に写し取られて、ちっちゃい魚みたいにうようよ泳いで、他の指紋と一緒に群れを作るの。で、もう一度指を押しつけると群れの中からしゅーっとまっすぐ自分の元に指紋が泳いでくる。すごーく愛おしくてかわいいよ。と同時に「これって簡単に指紋押捺しちゃうな」と思った。 


穴から覗くと、覗いたところの画像が大きくドアに映される、覗いてる本人は「今何を見てるか他の人にばれてる」とは思ってないから、それがわかったときすごくばつが悪い。普通の視線入力技術の応用なんだけど。
虹彩を撮るのも、簡単に01の2048個くらいの数字に置き換えられる、そしてこれまで登録された来場者の中からあっという間に識別される。技術すごいなーと思ったところで、さらにその01の羅列を少しずつ消していく。「まだあなたです・・あなたです・・もうあなたではありません」と言われたときのなんとも寂しい感じ。 

技術の正確さと個人的な微妙な心の動きとか同時に来て、初めてだった、あんな気分。すーっと薄気味悪い、怪談を読み終わったみたいな感じ。


東京の展示は明快ですっきりわかりやすいけど、おかげで"疑問を残す展示"への免疫が減ったかも、とこないだ京都で「生存のエシックス」展を見たとき思ったんだけど。すっきりさせるだけでなく、感情までコントロールされたみたい、佐藤雅彦やるなあ。

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